ベニヤ板とは無垢材とは異なり薄い板を重ね合わせた木材で、DIYでも広く使われています。

ベニヤ板は特定の木材を意味する言葉ではなく、色々な種類があるのですが、それ故に種類が分かりにくい部分もあるでしょう。

そこで今回は、

  • ベニヤ板の種類
  • 他の加工木材との違い
  • ベニヤ板を選ぶポイント

について解説していきます。

 

 

ベニヤ板とは?薄く切った木材の総称


ベニヤは材木を薄く切った単板を意味する言葉で、特定の木の名前などではありません。

ベニヤ板はホームセンター等で気軽に買えて、DIYをする人にとって身近な木材です。

なんとなく加工して作られた木材というイメージがある人も多いかもしれませんが、英語のVeneer(薄板、突板、単板)から取られた名称で、ベニヤ(単板)を互い違いに重ねて接着した合板を「ベニヤ」または「ベニヤ板」などと呼ばれることが多いです。

合板の素材や製法は国によって様々ですが、日本の場合は以下のように定められています。

「ロータリーレース又はスライサーにより切削した単板(心板にあっては小角材を含む。)3枚以上を主としてその繊維方向を互いにほぼ直角にして、接着したものに適用する。」

引用元:農林水産省”合板の日本農林規格

本来であれば「ベニヤ合板」あるいは「合板」が正しい名称ですが、現在でもベニヤ板と呼ばれやすいようです。

ベニヤ合板は、天然木材と比較して加工がしやすく安価なため、DIYだけでなく建築・家具・船舶・コンクリート型枠などでプロの現場においても多分野で重用されています。

 

ベニヤ板と合板やコンパネとの違い

ベニヤ板とその他の加工木材の違いについて見ていきましょう。

 

ベニヤ板とベニヤ合板


画像引用元:合板の特長|日本合板工業組合連合会

ベニヤ板とベニヤ合板は、先ほど解説したように単板か合板かという違いがあります。

木材を薄く切り出した単板のことを「ベニヤ板」、ベニヤ板を複数枚接着して厚みを持たせて強度を高めたものを「ベニヤ合板」と呼びます。

サイズは3尺×6尺(910×1820mm)が基本ですが、DIY用のものは使いやすいように様々なサイズにカットされて販売されています。

 

コンパネとの違い


コンパネ(コンクリートパネル)はコンクリートの型枠として使うための合板のことで、正式名称は「コンクリート型枠用合板」といいます。

建築現場だけでなく、解体と設置を繰り返す舞台用美術などにもよく使われています。

普通のベニヤ板はネジを使うと割れることがありますが、コンパネは木ねじで留められるという違いがあります。

また、コンパネはその用途から基本的に耐水加工が施されていますが、一般的なベニヤ板は必ずしも耐水加工されているわけではありません。

コンクリートを流し込んで使うため見た目の美しさは重視されていませんが、独特の風合いと耐水性の高さなどからDIY用の木材としても人気があります。

 

MDFとの違い


画像引用元:MDF | 木質ボードの紹介 | 日本繊維板工業会 - JFPMA

MDFはMedium Density Fiberboard(中質繊維板)の頭文字から取った名称で、木材のチップ(破片)を繊維化して板状に形成した材料です。ファイバーボードと呼ばれることもあります。

ベニヤ板(合板)との違いは製法にあります。木材を薄く切ったものを重ねるベニヤ板は、加工木材ではありますが天然の木目や木材の風合いが残っています。

MDFは木材を繊維状に加工してから圧着させるため、どちらかというとコルクのような見た目が特徴です。

ただ、MDFは端材や廃材などを原料とするためエコであること、品質が安定していて加工しやすいという利点もあります。

 

ベニヤ板(合板)の種類


ベニヤ板には、使用する木材や芯材、加工方法によってたくさんの種類があります。

こちらでは一般的によく使用されているベニヤ板の種類についてご紹介します。

 

ラワンベニヤ

ラワンべニヤは、フタバガキ科の広葉樹であるラワンという木材を使用した合板です。

主に熱帯アジア原産で、ラワンという名前はフィリピンでの呼ばれ方です。

大きな材料が取れて柔らかく加工しやすいため、建築用材や家具など様々な分野で使用されています。

ラワン材の色調にはホワイト系・レンガの様なレッド系などがありますが、uncle-bでは様々な用途に使いやすいホワイト系のラワンベニヤを販売しております。

適した用途は外壁・床・家具などの下地材で、耐水性に優れているのが特徴です。

扱いやすくリーズナブルなので、DIY初心者の方の練習用の材料としてもおすすめです。

サイズ・厚み・価格など商品の詳細はこちらからご確認ください。

uncle-b ONLINE STORE / ラワンベニヤ

 

シナベニヤ

シナベニヤはシナノキ科のシナという木材を使用した合板です。

シナはラワンと同じく広葉樹の一種ですが、より手触りが滑らかで柔軟なのが特徴です。

日本でも全国的に生息しており、合板の表材、アイスクリームを食べる用のヘラなどに用いられています。

uncle-bでは、片側の表面を滑らかなシナ材で仕上げたシナベニヤを取り扱っております。

木目が平滑なため、塗装などの加工もしやすく、家具や小物の仕上げ材としてもお使いいただけます。

uncle-b ONLINE STORE / シナベニヤ(シナ/片面)

 

針葉樹ベニヤ

針葉樹ベニヤは杉やマツなど、針葉樹の木材を重ね合わせた合板です。

針葉樹のベニヤ合板は柔らかく加工性に優れますが、ささくれなどが出やすいため下地材として使用されることが多いです。

uncle-bの針葉樹合板(ラーチ)は、カラマツや杉などの木材を使用しています。

木目は粗めですが、模様がはっきりとしていて木材ならではの雰囲気があるのが魅力です。

ラワンベニヤ・シナベニヤなど広葉樹の木材と比較するとリーズナブル。

棚や収納など、手が触れるものに使用する場合はやすりがけ後に塗装やコーティングをするのがおすすめです。

uncle-b ONLINE STORE / 針葉樹合板(ラーチ)

 

ランバーコア

ランバーコアとは、小さな角材を固めた芯材を木板でサンドした特殊合板です。

画像引用元:合板の種類|日本合板工業組合連合会

普通のベニヤ合板と比べて厚みと強度があり、ラワン合板よりもリーズナブル。

表面に使われる素材は木材のベニヤ合板以外にも樹脂板などがあります。

ランバーコアは歪みが出にくいので、棚やテーブルの天板に使われることも多くあります。

uncle-bのランバーコアは芯材にファルカタを使用し、加工しやすく仕上げています。

表材はラワン・シナ・樹脂板の3種類があり、用途に応じて使い分けられます。

・ラワンランバー

ランバーコアをラワンの単板で挟んだDIY材です。

釘打ちに強く、反りにくいため加工性に優れたコストパフォーマンスの良い木材です。

天板の下地材や棚板としても利用できます。

uncle-b ONLINE STORE / ラワンランバー

・シナランバー

シナの単板をランバーコアでサンドしています。

シナ特有の淡く優しい木色とスムースな感触が特徴で、シナベニヤと比較して軽量でリーズナブル。

家具や壁材の仕上げに適した木材です。

uncle-b ONLINE STORE / シナランバー(シナ/両面)

・ポリランバー

表面の素材にポリエステル化粧板を使用したDIY材です。

表裏を樹脂素材で使用しているため、天板として使用してもお手入れがしやすく綺麗な状態がキープできます。

uncle-b ONLINE STORE / ポリランバー BDR544

 

構造用合板

構造用合板は木造建築物の壁・床・屋根の下地材として使われる強度の高い合板です。

画像引用元:構造用合板とは?強度等級や厚み別の用途もご紹介 - 姫路の工務店「クオホーム」 本田準一のここだけの話

構造用合板として建築物に使用できるのは、

  • JASが定めた強度試験で1級か2級を取得した
  • 接着の程度が試験で特類か1級の基準に合格した
  • 含水率14%以下
  • 板面の品質基準に適合した
  • 曲げ性能基準が1級
  • 面内せん断強さの基準が1級基準(3.2MPa以上)
  • ホルムアルデヒド放散量の表示をしている
  • 防虫処理をしている
  • 保存処理をしている
  • 心板または添え心板の品質基準をクリアしている

など、細かい基準を満たしているものだけです。

構造用合板は丈夫なので、DIYの材料としても人気があります。

 

ベニヤ板の選び方

ベニヤ板を選ぶポイントとしては、

  • 原料の木材
  • 板の厚みとサイズ
  • 防水性や接着剤

などがあります。

 

原料の木材

原料の木材は様々ですが、一般的にはラワン材がよく使われています。

ラワン材は加工がしやすいですが表面がザラっとしているので、天板や表材として使用する際はやすり掛けなどの加工が必要です。

シナ材を使用したベニヤ板は色合いや手触りもよく、軽くて曲げにも強いのですがラワンベニヤと比較するとやや高くなります。

このように使用している木材によって特徴が異なるので、用途や場所に応じて使い分けましょう。

 

厚み・サイズ

DIY用として一般的に販売されているベニヤ板は、大体2.3~30mmくらいのものが多いです。

壁紙の下地として使う場合は2~5mm程度の薄いもの、床材や家具を作る際には12mm以上の厚めのベニヤ板を選ぶのがおすすめです。

DIY用のベニヤ板はサイズも様々ですが、用途に合わせて選びましょう。

壁や床など面積の広い部分に使う場合はサブロク(3尺×6尺)サイズのものが良いですが、小物や家具を作る際はあらかじめ小さくカットされているベニヤの方が工程数が省略できます。

 

防水性/接着剤

屋外やキッチンなどの水場で使用するものをDIYする場合は、耐水加工されたベニヤ板を選びましょう。

合板の耐水性には接着剤の素材が影響しており、JASによって耐水性が下表のように分類されています。

また、ベニヤ板の接着剤で注目したいのがホルムアルデヒドの放散量です。

JIS・JAS規格で以下の5段階に定められており、☆の数が多いほどホルムアルデヒドの拡散量が少ないベニヤ板となっています。

  • F☆☆☆☆
  • F☆☆☆
  • F☆☆
  • F☆
  • 表示なし

 

まとめ

ベニヤ板はリーズナブルで購入しやすい木材ですが、合板には様々な種類があることが分かりました。

本来の意味でのベニヤ板は薄い単板なので単体で加工するには向きませんが、合板にすることでDIYから建築資材まで広い用途で使える素材に変化します。

また、今回ご紹介したように薄い層を重ねるベニヤ板だけでなく、小さい角材を芯に使うランバーコアや繊維状にした木を圧着するMDFなどもDIYユーザーから人気があります。

用途や使用環境に応じたスペックのものを選んで、DIYを充実させましょう!