DIYでの塗装において、スプレー塗料を選ぶ方も少なくありません。スプレー塗料は100均でも買えるなど手軽に手に入り、DIY初心者でも扱いやすい塗料の一つです。

一方で、プロ並みにきれいに仕上げるにはコツが必要で、さらに正しい手順を踏んで作業を進める必要があります。今回の記事では、スプレー塗料の塗り方や注意点について紹介します。

スプレー塗料を使ってDIY塗装にチャレンジしようとしている方は、ぜひ参考にしてください。

 

スプレー塗料とは?



スプレー塗料とは、スプレー缶の中に塗料が装填されたもので、塗装したい箇所にスプレーを吹き付けると色をつけられる製品です。筆やバケツなど、一般に塗料で使用する道具がいりません。塗料が霧状で出てくるため、手間なく均一に色を塗れます。

スプレー塗料をうまく活用するためには、準備と基本的な塗り方を覚えておきましょう。正しく使用すれば、塗りムラの発生や、周囲が汚れるなどの失敗を防げます。

 

スプレー塗料での塗装手順



スプレー塗料の塗装手順をまとめると、次のとおりです。

 

塗装場所選び

周囲の養生

塗装する家具や小物をきれいにする

下地スプレー塗装

スプレー塗装で本塗り

乾燥させて必要に応じて重ね塗り

 

それぞれのプロセスについて詳しく紹介します。ぜひ参考にしてください。

 

まずは塗装場所選び

第一に、塗装をするための場所を決めましょう。スプレー塗料は、性質上周囲に塗料が飛びやすいのが特徴です。養生などの対策をしても、基本的には「汚れる可能性が高い」ことを念頭に塗装場所を選びましょう。

自宅に庭があるなら、初心者は外で塗装するのがおすすめです。万が一汚れるとしても、自宅内よりは影響が小さくすみます。庭が利用できない場合は、ベランダでの塗装も検討してみましょう。

室内で塗装せざるを得ないなら、充分なスペースを確保してください。また、食品を扱う台所周辺や汚れると困る家具・貴重品が周囲にない状態で塗装しましょう。

 

周囲を養生する

塗装場所が決まったら、周辺を養生して汚れるのを防ぎましょう。地面にはダンボールなどを敷き、壁にもダンボールやマスキングテープ、養生シートなどを使用して表面を覆ってください。

霧吹き状に塗料が出てくるスプレー塗料は、少しでも隙間があれば塗料がつく恐れがあります。余計な場所に塗料がつかないよう、隙間なく厳重に覆いましょう。

 

塗装する家具や小物をきれいにする

塗装する予定の家具・小物の表面をきれいにしていきます。まず、細かい傷がある場合にはパテなどで埋めて凹凸を埋めてください。

その上で、サンドペーパーを使って表面を磨いていきます。また、雑巾などで汚れや埃を拭き取ってください。表面に汚れや凹凸がない状態にするほど、塗料が均一に着色します。

 

本格的に仕上げるなら下地スプレー塗装をする

さらに仕上がりを美しくしたい方は、下地スプレーを先に塗布するのがおすすめです。下地スプレーは塗料の定着力の向上、サビ防止や細かな傷隠しなどの効果があります。

下地スプレーを使用すれば一段ときれいに仕上がり、さらにその状態が長持ちします。簡単なDIYにおいては省略する方も多いものの、仕上がりにこだわる方はぜひ使用してみてください。

 

スプレー塗装で本塗り

下地が乾いたところで、いよいよスプレー塗料での本塗りに入ります。均等に色がつくように15〜25cm程度距離をとって、塗装面に対して並行に噴射して行ってください。

また、一気に厚塗りせずスプレーを移動させるスピードを一定にすると、均一に色がつきやすくなります。角や凹みなど、塗料が入りにくいところに注意しながら、丁寧に塗装しましょう。

 

乾燥させて必要に応じて重ね塗り

ひと通り塗装が終わったら、一度塗料を乾燥させましょう。その上で色付きが悪かったり、ムラがあったりすれば重ね塗りしていきます。

乾燥と重ね塗りを繰り返して、イメージ通りの色合いになったら作業は完了です。なお、養生は重ね塗りが完了して、塗料が完全に乾燥してから外してください。

 

スプレー塗装をうまく仕上げるコツ



スプレー塗装をきれいに仕上げるためには、つぎのポイントを実践してください。

 

塗装面から15cm~25cm離して塗装する

厚塗りはせず、重ね塗りで仕上げる

並行に吹き付けるように意識する

作業する日の天候に気を付ける

 

それぞれのポイントについて、詳しく説明します。

 

塗装面から15cm~25cm離して塗装する

スプレーと塗装面の距離は、おおむね15cm〜25cmが目安です。ただし、製品によって異なる場合もあるので、各製品の説明書に指示書きがあれば、そちらに従ってください。

塗装面と距離が近すぎると、塗りムラの発生や垂れる原因となります。また、遠すぎると色がつきにくい、室内の関係ない場所に色がつくリスクが高まるなどの弊害があります。適度な距離をとって塗装するのが肝心です。

 

厚塗りはせず、重ね塗りで仕上げる

一気に厚塗りしようとせず、薄塗りを何度か重ねるつもりで塗装しましょう。厚塗りすると、どうしても場所によって色ムラが出がちです。

色ムラは重ね塗りによって修正しますが、ついた色を薄めることはできないため、厚塗りされた場所に濃さを合わせるしか無くなります。薄塗りを重ねることで、仕上がりの色づき具合を細かく調整可能です。

 

並行に吹き付けるように意識する

スプレーと塗装面を、並行になるように意識して噴射しましょう。スプレーと塗装面の距離が一定でも、噴射が斜めになれば噴射口と塗料が付く表面との距離が変わってしまうため、均一に色がつきにくくなります。距離を均等にして、さらにスプレーを並行にたもつと、きれいに塗装可能です。

 

作業する日の天候に気を付ける

スプレー塗装は天候に仕上がりが左右されがちなので、できるだけ適した日に塗装しましょう。まず、雨雪の日は屋内外に関わらず避けてください。屋外で塗装できないのはもちろんですが、湿度が高いと塗料がきれいに定着しにくくなるため、屋内でも作業は避けるのが得策です。

一方で、極端に日差しが強い快晴の日には注意して塗装しましょう。特に気温が高く直射日光が当たると、塗装面に定着する前に乾いて色づきが悪くなる恐れがあります。直射日光を避けて、屋外で塗装するときは日陰で作業してください。

最後に、5度以下の低温な環境では塗料が乾きにくくなります。冬場は屋外での作業は避けましょう。室内で暖房が効いていれば問題ありませんが、換気や暖房器具などの火器に注意してください。

 

スプレー塗装の注意点



スプレー塗装をするときには、次のポイントに注意しましょう。

 

スプレー塗装できるもの・できないもの

火器の近くでは塗装しない

初心者は可能な限り屋外で塗装する

ビニール手袋・マスク・ゴーグルでしっかり防護

 

以上のポイントに注意すれば、安全かつスムーズにスプレー塗装ができるでしょう。

 

スプレー塗装できるもの・できないもの

たとえば、次のような製品は一般的にスプレー塗装が可能です。

 

椅子・机

カラーボックス(棚)

換気扇カバー

プラスチック容器

 

木の素材はもちろんですが、プラスチック製の家具でも塗装は可能です。スプレー塗装が難しいのは、たとえば次のような「面積」が広すぎるものになります。

 

ウッドデッキ

内外壁

 

表面の素材に塗料がつかないことはありませんが、1缶300ml程度ではかなりの数が必要になるため、スプレー塗装には不向きです。

 

火器の近くでは塗装しない

スプレー塗料にはガスが充填されているため、火器の近くで噴射すると引火します。冬場の暖房器具など火器が近くにない状況で使用しましょう。

屋内で作業するときは、締め切った状態にすると、思わぬ形で引火するおそれがあります。換気にも留意して作業してください。

 

初心者は可能な限り屋外で塗装する

初心者は、庭やベランダなどスペースがあるなら屋外で作業するのがおすすめです。室内での塗装作業は引火やガスの充満リスクがあります。さらに、室内ではより徹底した養生が必要です。

養生に失敗して家具や床・壁に塗料が付くリスクが高いといえます。屋外であれば、換気や引火のリスクは低く、また室内と比べれば汚れによる影響も小さく済むでしょう。

 

ビニール手袋・マスク・ゴーグルでしっかり防護

周囲の養生に加えて、自身もビニール手袋・マスク・ゴーグルなどでしっかり防護しましょう。塗料は目や口などを通じて体内に入ると、人体に影響をおよぼすリスクがあります。そのため、マスク・ゴーグルで体内入るリスクを抑えましょう。

手や皮膚に少し付着する程度なら大きな問題はありませんが、後で洗浄するのに手間がかかります。手袋をするなどして、皮膚に付着しないように留意しましょう。

 

スプレー塗装で家具や小物を自分好みの色に仕上げよう



スプレー塗料を利用すれば、初心者でも簡単にDIYで色付けできます。スプレー塗料自体の容量が限られているため壁やウッドデッキなど面積の広い箇所には向きませんが、小さめの家具や小物に適した塗装方法です。

今回の記事では、塗装方法のほか養生方法や安全な使用方法を紹介しました。この記事を参考に、ぜひスプレーでの塗装にチャレンジしてみてください。uncle-bでは、さまざまなDIY製品を販売しています。塗装のほかさまざまなDIYに取り組もうと考えている方は、ぜひ一度Webサイトに訪れてください。

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