古くなった家具は、DIYで塗装すればリメイクやアレンジができます。しかし、塗料が多すぎてどれがいいのかわからない、失敗しそうでDIYでの塗装ができないと悩む方も少なくないでしょう。

塗料の選び方と手順をおさえておけば、DIY初心者でも家具の塗装は決して難しいものではありません。今回の記事では、塗料の種類や選び方、手順や失敗しないためのポイントを紹介します。この記事を参考にすれば、スムーズにDIYでの家具の塗装を進められます。

 

DIYでの家具を塗装する目的



DIYで家具を塗装する目的は、大きく次の3点があります。

・古い家具をリメイク・アレンジする

・汚れをつきにくくする

・耐久性を向上させる

それぞれの目的について詳しく紹介します。

 

古い家具をリメイク・アレンジする

古い家具にDIY塗装をすることで、自分の好みにリメイク・アレンジをおこなえます。例えば、自分の好きな色合いに変えたり、室内の雰囲気に合わせて塗り替えたりできます。新品のようにリメイクできるほか、逆に時間の経過を活かして味のある見た目にすることも可能です。

 

汚れをつきにくくする

汚れをつきにくくすることを目的として、家具を塗装する場合もあります。家具に塗装をせずにそのままの状態で使い続けると、皮脂汚れやシミが落ちなくなる恐れがあります。防汚性がある塗料を上から塗ることで、長期間きれいな状態を維持することが可能です。

 

耐久性を向上させる

耐久性を向上させることも、DIYの塗装における重要な目的のひとつです。たとえば木製の家具では、塗装により次のような劣化を防げます。

・日が当たることによる紫外線劣化

・腐食を引き起こす菌類の繁殖

・シロアリ被害

・湿気によるカビの発生

以上のような木材を劣化させる要因から家具を守り、長持ちさせることが可能です。

 

DIYで使用する家具の塗料の種類



家具のDIY塗装で使用する塗料にはさまざまな種類がありますが、ここでは次の5種類を紹介します。

・ステイン塗料

・ウレタンニス塗料

・オイル系塗料

・ワックス系塗料

・ミルクペイント系塗料

 

ステイン塗料

ステイン塗料は、木材に成分がしみ込んで着色される塗料です。表面を膜で覆うわけではないため木目がはっきりとした仕上がりになり、木材の質感がよりよく感じられます。

ステイン塗料には水性ステインとオイルステインという2種類があります。水性ステインは光沢感が出にくいマットな質感に。オイルステインは、光沢感がはっきりと出て、木目調がさらに映える仕上がりになります。

 

ウレタンニス塗料

ウレタンニス塗料を塗布すると硬い塗膜でコーティングされるため、木材を周りの湿気などから家具を守り、耐久性を向上させられるのが特徴です。水性と油性の2種類があり、目的によって上手く使い分けるといいでしょう。水性の方が扱いやすく、油性はさらに耐久性を向上する役割があります。

 

オイル系塗料

オイル系塗料は仕上がりが綺麗で強い光沢があり、また家具の耐久性を向上させることが可能です。亜麻仁油を使用したもの、クルミ油を使用したものなどさまざまな原料の塗料があります。オイル系塗料には防カビ・防腐やはっ水の効果が期待できるほか、ツヤ・光沢を出して木材の家具を美しく仕上げられます。

 

ワックス系塗料

ワックス系の塗料とは「蝋」のことで、木材の塗装に使用する半固形の塗料です。木材の表面に塗料が残り、汚れ・水濡れなどから家具を守ることができます。

着色ワックスの場合は、木材に自分好みの色や風合いをつけられます。天然素材のワックスは、木の吸湿機能を損なわずに自然な風合いやツヤを与えられるのが特徴です。なお、ワックス系塗料は高温により溶けてしまいやすいため、熱が加わる場所の家具への使用は控えましょう。

 

ミルクペイント系塗料

ミルクペイント系塗料は、ミルクに含まれるカゼインという乳成分を原料として作られた塗料です。主原料が天然由来のため、安全にDIYで塗装にチャレンジしたい方に適しています。アンティーク調の色味が多く、マットな仕上がりになります。落ち着いた雰囲気の家具に仕上げたい方におすすめです。

 

DIYでの塗装にはスプレー塗料も便利



DIYで家具の塗装には、スプレーをするだけで塗装ができるスプレー塗料もおすすめです。スプレー塗料は、コツをつかめば簡単にムラなく塗装ができます。一方で、種類や色のバリエーションも多く、何から手を出してよいのか迷う方もいるでしょう。

そこで、ここではつぎの5つのDIYでの塗装に適したスプレー塗料を紹介します。

・水性スプレー塗料

・油性スプレー塗料

・ラッカースプレー塗料

・ウレタンスプレー塗料

・下地スプレー塗料

 

水性スプレー塗料

水性スプレー塗料の特徴は、塗料が乾く前であれば水拭きで落とせること、油性のスプレー塗料と比較して臭いが少ないことが特徴です。乾燥には時間がかかりますが、乾燥した後は雨風などから家具を保護してくれます。木材や鉄、プラスチックなど、さまざまな素材に使用できます。

 

油性スプレー塗料

油性スプレー塗料を使用すると、家具の耐久性・耐候性を高められます。乾いた後は耐水性も高まるため、自転車など外で使用する製品にも使用可能です。こちらもガラス、木材、金属と多くのものに使用できます。一方で、プラスチック素材に使用すると溶ける可能性があるため、下地塗りをしたうえで使用しましょう。

 

ラッカースプレー塗料

ラッカースプレー塗料は有機溶剤を使用した製品です。10~20分と短時間で乾くため扱いやすいのも特徴で、木材や金属の塗装に向いています。

色の種類も豊富で自分が使いたい色を選べることもポイントです。シンナーの臭いが強いため、作業は必ず屋外で行いましょう。また、耐久性は得られますが耐候性に弱く、ツヤ落ちや色の抜けが比較的早く進む塗料である点には留意してください。

 

ウレタンスプレー塗料

ウレタンスプレー塗料は、塗装後に家具の耐久性を向上させ、塗装面は綺麗に光沢感が出て、かつ長持ちするスプレー塗料です。色が落ちたりツヤが落ちたりもしにくく、耐久性・耐候性ともに優れた仕上がりになります。

一方で、乾燥するまでに3日程度かかる点や他の塗料よりやや高価である点には、留意しましょう。

 

下地スプレー塗料

下地スプレー塗料は、本塗りする塗料と家具の密着性を高めるために使われるものです。色々な素材に使用でき、本来は塗装が定着しにくい素材でも上手く塗料を付けられます。表面の凹凸を隠して、色のりよくする効果もあります。また、金属に塗ると錆を防いでくれるのも特徴です。

塗料については、uncle-bにてほかにもさまざまな記事をまとめていますので、合わせて参考にしてください。

塗料に関する記事一覧

 

DIYで家具塗装をするときの失敗しないためのポイント



DIYで家具塗装をするときに、失敗しないためのポイントを3つ紹介します。それぞれを参考にして、塗装前の準備を進めましょう。

 

家具の用途に合った塗料を選ぶ

1番大切なポイントは、家具の用途に合った塗料を選ぶことです。DIYで家具塗装に使用する塗料にはたくさんの種類があり、用途も異なってきます。

用途に合っていない塗料を使用すると、意図した仕上がりにならなかったり、耐久性・耐候性などが低下したりする恐れがあります。家具の用途に適した塗料を選んで、家具の劣化を予防しながら思い通りの質感や色調に仕上げましょう。

 

木材の下地処理を丁寧に行う

下地処理を行うことで、塗装の仕上がりが大きく変わります。大まかな下地処理の方法は、次の3つです。

1.変色を防ぐため、ヤニ止めを塗って木材から樹脂がでてこないようにする

2.木材の表面をやすりなどを使い凹凸がない状態にする

3.以前の塗料がついている場合はきれいに取る

下地処理を怠ると色むらの原因になったり、塗料が定着しなかったりします。3つの工程を丁寧に行いましょう。

 

塗装場所に合ったハケを選ぶ

ハケを購入する際は、必ず塗装場所に合ったものを選びましょう。選ぶ際に大切なポイントは、ハケのサイズ、形状、毛の種類、塗料との相性です。さまざまな種類があるので、塗料の種類や塗装する範囲の広さなどを踏まえて適切なハケを使用してください。

 

DIYの家具塗装の手順



DIYでの家具塗装は、次の5つの手順で進めましょう。

・周囲を養生する

・刷毛をチェック

・紙やすりをかける

・塗装する

・マスキングテープを取って完成

きちんと手順に沿って塗装をすると仕上がりが格段に良くなります。

 

周囲を養生する

作業スペースに、ビニールシートや新聞紙を敷いて、端をマスキングテープ・養生テープで貼り付けて固定しましょう。地面や外構などに付着すると落ちにくくなるため、屋外で作業する場合も養生は行ってください。養生することで、周囲に塗料が飛び散るのを防げます。

 

ハケをチェック

塗装の最中にハケから抜け毛が出てしまうと仕上がりがきれいにならないので、塗る前に抜け毛がないかチェックします。ハケを回したり、手で軽く揉むと抜け毛が出るので払っておきましょう。

 

紙やすりをかける

木材の表面を、紙やすりをかけて滑らかにしましょう。こうすることで、塗装したあとの仕上がりがきれいになります。木材が尖っていたり、棘が出ていると危険です。丁寧なやすりがけによって、安全に塗装作業を進められます。

 

塗装する

下準備が終わったら塗装を始めましょう。色むらの原因となるため、1度目に塗る際に刷毛に塗料をつけすぎないように調節しながら塗装を進めてください。2度塗りの前にもう1度紙やすりをかけ、粉をきれいに取ってから塗装します。2度目の塗装では、1度目と塗料の量が変わらないように注意しましょう。

 

マスキングテープを取って完成

塗料が完全に乾く前に、マスキングテープや養生シート・新聞紙などを取りましょう。塗料が完全に乾いた状態になってから剥がしてしまうと、マスキングテープと一緒に塗料も剝がれることがあるので要注意です。乾く前に作業するため、塗装部分に手指が当たらないよう、注意しましょう。

 

DIYの家具塗装では、塗料選びと正しい作業手順が大切



今回の記事では、DIYでの家具塗装について詳しく説明しました。DIYでの塗装を上手く進めるためには、塗料の色調・質感はもちろんのこと塗装の目的に適した原料の塗料を選びましょう。下準備を丁寧に行い、正しい手順を守って作業を行うことが大切です。DIYでの塗装が初めての方は、この記事を参考に準備や塗装作業を進めてください。

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