古くなった木材の家具にワックスを塗って、つやだしや防水効果を高めたいと考えている方もいるでしょう。木材用のワックスにはいくつか種類があるので、自分に合った製品を選ぶのが大切です。また、正しく手順を踏んで作業を進めることで、ムラなくきれいな仕上がりになります。

今回の記事では、木材のワックスがけの製品の種類や手順を紹介します。DIYで木材にワックスがけをしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

木材のワックスがけの基本・効果



ワックスがけというと、床のツヤ出しのために行うイメージが強いかもしれません。実は、DIYにおける木材家具の加工にもワックスが有効です。防水・耐水性の向上やツヤ出しにやくだちます。また、ワックス自体に色があり、着色可能な場合もあります。まずは、ワックスがけの役割・効果を見ていきましょう。

 

木材のワックスがけの効果とは?

木材の家具や床をワックス掛けすると、次のような効果があります。

防水・耐水性の向上

ツヤ出し

着色

木材へのワックスがけの効果について、詳しく見ていきましょう。

 

防水・耐水性の向上

購入当初は塗装された家具も、キズがついたり塗装が剥がれたりすれば、劣化が進行します。塗装を行っていない木材は、さらに劣化が進みやすい恐れがあります。木材の種類によっては、傷みや水分に強い種類も存在しますが、基本的に木材の家具は経年とともに劣化が進む性質があります。

ワックスがけを行うと、木材の表面をコーティングして内部に水が入り込むのを防ぐことが可能です。台所の近くなど水が付きやすい場所にある家具は、こまめにワックスがけをして、水による劣化を食い止めましょう。

 

ツヤ出し

ワックスがけをすると表面に光沢が生まれるため、ツヤ出し目的で使用するケースも少なくありません。木材DIYで使用するワックスは、床用のワックスとは異なり、ペーストタイプの物を使用するケースが多いです。ウレタンやオイルステインなどと比べると、ワックスでは木材が本来持っている見た目・雰囲気の良さを活かしたツヤ出しができます。

 

着色可能な場合も

ワックスの種類を選ぶと着色が可能な場合もあります。カラーワックスといった種類のDIY用のワックスが市販されているので、木材に着色もしたい場合はそちらを選ぶといいでしょう。塗料を使用すると木目の風合いが失われてしまう場合がありますが、ワックスであれば木の風合いを活かしながら、色味を変えられます。

 

ワックスとオイルの違い

ワックスは固形タイプまたは半固形(ペースト)タイプの種類が多く、オイルは液体の形状で売られている場合が殆どです。ワックスは特に木材の保護に向いているものが多く、オイルは木材に染み入りやすいのでツヤ出しに向いているものが多いです。

ツヤ出しが主目的なのか表面を保護したいのかをふまえて、DIYの目的に合わせて適した製品を使用してください。

 

木材用ワックス3選



木材用ワックスもたくさん種類がありますが、大きく種類分けをすると「未晒し蜜ロウワックス」「ブライワックス」「ビンテージワックス」の3種類となります。それぞれの製品の特長をまとめましたので、ワックス選びの参考にしてください。

 

未晒し蜜ロウワックス

未晒し蜜ロウワックスは、蜜蝋ワックスの一種です。未晒し蜜ロウワックスを使用すると、木の持っている特性をそのまま生かした仕上がりになります。

安全性にこだわって生産されているワックスであり、呼吸器内科の病院でも使用されています。そのため、化学薬品に敏感な方におすすめなワックスの一つです。

撥水性に優れているため、耐水性の向上にも有効です。スポンジで簡単に塗れるため、はじめてのワックス掛けにも適しています。

 

ブライワックス

ブライワックスは、1860年イギリスで初めて生産されたワックスで、長い歴史があります。当時から、職人用の木材保護塗料として販売されていました。ブライワックスは、蜜蝋とブラジルの高地に生えている「カルナバヤシ」の葉の裏に粉状に分泌された蝋である「カルナバ蝋」の2つの天然素材をブレンドして作られています。

ブライワックスも木材の保護とツヤ出しに適したワックスです。また、木材の着色もできます。ペースト状で塗装しやすく早く乾くので、初心者にも扱いやすいワックスの一つです。

 

ビンテージワックス

ビンテージワックスは、国産のえごまを原材料とする植物油が元になったワックスです。そのため環境に優しく、屋内の木材家具などのワックス塗装に向いた製品です。

木材の素材を生かした自然な見た目に仕上がるうえ、木材を保護する役割も果たします。色味の異なる4色の製品のなかから、木の質感に合った色のワックスを使用しましょう。ビンテージワックスは塗料が滑らかでよく伸びるので、初心者でも簡単に塗装できます。

 

木材ワックスがけの手順



木材のワックスがけの手順は、大きく次の5つの工程に分かれます。

ワックスをかける木材の下地準備

養生する

ワックスを塗る

ふき取りと乾燥

重ねがけする

手順通り進めれば家具や床がきれいな仕上がりになるうえ、周囲が汚れて困る心配もありません。

 

ワックスをかける木材の下地準備

ワックスをかける木材の下地準備を行います。ワックスをかける面をやすりがけを行い、整えましょう。下地準備で表面を整えると、ワックスを塗るときに均一に塗れるので仕上がりが綺麗になります。

この時、やすりは木目の方向に合わせて真っすぐにかけるように意識しましょう。その方が細かい傷や汚れがきれいに取れますし、逆にやすりによって余計なキズが付くのを防げます。やすりがけが済んだら、乾いた布または硬く絞った布でやすり粉を丁寧に取り除きましょう。

 

養生する

作業を行う周りを養生します。しっかり養生しないと塗料が他の家具や床に付いてしまうので、隙間ができないように丁寧に準備してください。養生用のマスカーやマスキングテープなどを使いましょう。

広い範囲を覆う必要がある時は、ビニールシートや養生シートを使用するのも一案です。自分自身も、軍手等で素肌に塗料が付かないようにするのも忘れずにしましょう。

 

ワックスを塗る

刷毛や布、スポンジなど使用するワックスに適した道具で木材にワックスを塗りこんでいきます。綺麗な仕上がりにするポイントは木目に沿って擦り込みながら塗っていくことと、全体に均一にワックスを伸ばすこと、ゴシゴシと無理矢理塗りつけないことです。

 

ふき取りと乾燥

およそ、15分~30分で塗装したワックスが乾燥します。乾燥させたら固い布、もしくはブラシなどで強めに拭き取り作業を行いましょう。目安は塗装面に拭き取りによる摩擦でツヤが出るまでです。拭き取り作業を行うことでワックスが木材にしっかりと馴染みます。

 

重ねがけする

1度拭き取りまで行って、仕上がりを見てみましょう。ツヤをもっと出したい、もう少し着色が濃い方がいいなど思ったら、ワックスの重ねがけを行いましょう。

再度ワックスがけ→乾燥→拭き取りを納得の仕上がりになるまで繰り返してください。塗りムラや塗りすぎを防ぐために、かならず乾燥させて仕上がりを見てから、さらに重ね塗りすべきかを判断してください。

 

木材へのDIYワックス塗装でツヤや防水性を取り戻そう



この記事では、木材へのワックス塗装について詳しく紹介しました。木製家具のツヤを取り戻したい、耐水性や耐久性を高めたいと思ったら、ぜひワックスがけにチャレンジしてみましょう。今回紹介した手順を守って作業すれば、初心者でも木製家具をつややかな質感に仕上げられます。

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