金属や塩ビなどの管をカットする工程は、DIYにおいてしばしば発生します。ノコギリなど通常の刃物で切断しようとすると、力加減を誤って空洞部分がつぶれてしまうなど、きれいに切断するのは難しいものです。
そこでおすすめなのが、今回紹介するパイプカッターです。パイプカッターは、空洞のある管を切断するのに特化した工具で、さまざまな素材の管に使用できます。
今回の記事では、パイプカッターの使い方やきれいに切断するためのポイントについて紹介します。
目次
パイプカッターの基本的な特徴
パイプカッターは、文字通りパイプ=管を切断するのに特化した工具です。柔らかいものから硬いものまで、さまざまな管状の素材に対応したパイプカッターがあります。
パイプカッターとは?
パイプカッターは、塩ビ、プラスチック製のパイプや銅管など、管状のものを綺麗に切断する工具です。ノコギリなどの工具でパイプ状の素材を切断すると、空洞部分が潰れるなどして失敗するケースが少なくありません。
パイプカッターは、円形の刃がパイプを挟み込み回転させながら切断する仕組みです。通常の刃物で切断するのと比べると、空洞部分を潰さずに綺麗に切断しやすい構造をしています。DIY初心者でも、パイプ状の素材や建材を自在に使いこなせるようになるでしょう。
パイプカッターの構造
パイプカッターは、おおまかに次のような部分で構成されています。
・ノブ
・ローラー
・丸刃
ノブは、ローラと丸刃の空間を調整するためのものです。ローラーと丸刃の間にパイプを挟み込んで使います。挟み込める最大口径以下のパイプであれば、さまざまな口径のパイプの切断にひとつのパイプカッターで対応可能です。
パイプカッターで切断できる素材
パイプカッターは、それぞれ対応可能な素材に違いがあります。たとえば、次のような素材に適したパイプカッターが販売されています。
・銅管
・真鍮管
・アルミ管
・塩ビ管
・ステンレス管
DIYや工作作業において切断する素材に合わせて、適したパイプカッターを用意しましょう。
ホームセンターや工具店、ダイソーのような100円ショップなどで入手可能
パイプカッターは、ホームセンターに行けばさまざまな製品が販売されていて、DIY用であればこと足りるでしょう。より本格的な作業に使用する予定の方は、工具専門店に行くのがおすすめです。
また、まずはお試しで使ってみたい、DIYでたまに使う程度なので本格的なものは必要がないなら、ダイソーなどの100円ショップで安価な製品を購入することもできます。
パイプカッターの使い方
パイプカッターは、次のような手順で使用します。
1,パイプをセットする
2,溝が付く程度の深さに設定して一回転させる
3,溝がずれる・斜めになるなど問題がないか確認
4,刃をさらに出して一回転させてカットする
5,やすりなどで断面を整えて仕上げ
それぞれの手順について詳しく紹介していきます。
パイプをセットする
最初に、ノブを回してローラーと刃の間を広げます。切断するパイプより少し広めに間隔をあけたのち、間にパイプをセットしましょう。パイプはあらかじめバイスやクランプなどで固定しておけば、スムーズに作業を進められます。
溝が付く程度の深さに設定して一回転させる
いきなり切断するのではなく、薄く溝がつく程度の強さでノブを締め付けて、一回転させてみましょう。このプロセスを経ることにより、ずれたり斜めになったりした状態でパイプを切断するミスを防げます。
溝がずれる・斜めになるなど問題がないか確認
溝が斜めになったり、ずれて螺旋状になったりしていないか確認しましょう。パイプに対して垂直で、一本のリング状の線が形成されている状態が理想です。もしそのようになっていない場合は、ノブを緩めてパイプが垂直になるように再調整してください。
刃をさらに出して一回転させてカットする
溝が適切な状態でつくようになったら、ノブの締め付けを強くしてカッターをしっかりとパイプに固定します。
その後、持ち手を持ってローラーを回転させてパイプをカットします。ここで雑に回転させると断面がずれる原因となるため、切り込みが垂直に入るように丁寧にローラを回転させてください。
やすりなどで断面を整えて仕上げ
パイプが完全に切断されたら、断面をやすりなどで磨きます。たとえ綺麗に切断できたとしても、パイプの断面は細かい凹凸や棘が発生します。
そのままでは誤って断面に触れて怪我をするリスクがあります。また、パイプを部品として使用する場合には、仕上がりにも影響を及ぼすでしょう。
カッターによっては「面取り」という部分がついているものもあります。面取りを使用すれば、やすりよりも効率よく表面を滑らかに仕上げられるので、うまく活用しましょう。
パイプカッターを安全にうまく使いこなすためのポイント
パイプカッターを安全にうまく使いこなすためには、次のポイントに注意して作業を進めると良いでしょう。
・直径のあったパイプカッターを選ぶ
・しっかりと固定する
・力加減に注意を払う
・鋭利な刃がついているのでケガに注意
適切な製品を正しく使用して、安全かつ効率よく作業を進めてください。
直径のあったパイプカッターを選ぶ
切断するパイプの口径にあったカッターを利用しましょう。多くのパイプカッターは一定の範囲の口径に対応しています。しかし、ローラーと刃のすき間の広さにより、最大口径は決まっています。
口径が大きすぎるパイプを無理に切断しようとすれば、きれいな断面にならないリスクが高くなるので避けましょう。パイプカッターを購入する時には、先に作業に使用するパイプの口径を確認して、適切な製品を選んでください。
しっかりと固定する
基本的ではありますが、パイプをしっかりと固定するのが大切です。パイプカッター側にはパイプを固定する機能はついていない製品がほとんどです。そのため、作業台に固定するための器具を活用すれば、ずれなくきれいに切断しやすくなるでしょう。
クランプやバイス、万力などをパイプカッターと共に用意しておくのがおすすめです。正確に切断できるだけでなく、思わぬ事故を避けるうえでも役立ちます。
力加減に注意を払う
パイプカッターを適切に固定していれば、無理に強い力をかけなくとも切断できる構造となっています。力をかけすぎると断面がずれたり、危惧が外れて怪我につながるリスクもあります。何回転かローラーを回転させて、丁寧に切断作業を進めましょう。
鋭利な刃がついているのでケガに注意
パイプカッターは、円盤状の刃物がついた器具です。硬いパイプを切断するだけあって、刃は鋭利で誤って手指を当てれば怪我につながるリスクもあります。
ここまで紹介した手順や注意点をよく守って、怪我やトラブルなく作業を進めていきましょう。
パイプカッターを使用すれば管状の素材を使ったDIYがスムーズに
DIYや工作などでパイプ状の素材を切断する場面は、少なからずあります。ノコギリなど通常の刃物でパイプを切断するのは意外に難しく、断面を潰してしまったり、パイプがずれてケガしたりといったトラブルにつながる可能性もあります。
安全に、正確にパイプを切断するなら、今回紹介したパイプカッターを活用するのがおすすめです。ただし、パイプカッターも刃物であることは変わりないので、ケガには充分に注意して使用しましょう。
uncle-bでは、今回紹介したパイプカッターをはじめ、さまざまな工具やDIY製品を取り揃えています。DIYに本格的に取り組もうと考えている方は、ぜひ一度オンラインショップを覗いてみてください。