棚受けやブラケットは、壁に棚板を取り付けるときに使用します。うまく活用すると壁の空いているスペースに自由に壁付棚を制作できるようになるため、DIYの幅が広がるでしょう。
棚受けにはさまざまなタイプがあります。デザイン性に優れ、強度が充分な壁付棚を作るには、製品選びや正しい取り付け方を理解しておかなければなりません。この記事では、棚受けについて使い方や選び方を紹介します。DIYが趣味の方は、この記事を通じて棚受けについて知ったうえで、壁付棚づくりに役立ててください。
目次
棚受け・ブラケットとは?
棚受けは、壁に棚板を取り付ける際の金具のことで「棚受け金具」「ブラケット」と呼ぶこともあります。
DIYで壁付棚を制作するときに活用
棚受け・ブラケットは共に壁付け棚を設置するときに欠かせない部品の一つです。室内のDIYのテクニックとして、壁に直接棚板をおいた壁付棚を置く場合があります。
スペース的に家具の収納棚が置けない場所にも収納スペースを作れる、内装デザインのアクセントとして活用できるなどのメリットがあります。壁付棚において、物を置くための棚板を支えるために壁面に設置する部品が棚受けです。
棚受けとは?
一般に棚受けは「棚受け金具」とも呼ばれます。壁に取り付ける部分と棚板を置く部分で構成されていて、棚板の支えとなる部品です。実用性のある壁付棚にするためには、棚に物を載せても落下しない強度が必要となります。さまざまな形状や材質の棚受けがあるので、使用環境や棚板のデザインに合わせて適したもとを選びましょう。
ブラケットとは?
ブラケット(Bracket)は、棚受けを英訳したものであり、同じ物として扱って差し支えありません。商品によっては単に「ブラケット」という名称で販売されているケースもあります。
自分がDIYで制作しようとしている壁付棚に合った棚受けを探すときには、ブラケットという名称でも商品探しをしてみてください。
棚受け・ブラケットの種類
棚受け・ブラケットには、固定式や棚柱式、折りたたみ式などさまざまな種類があります。意図した強度・デザインの壁付棚を作れるようになるために、まずは棚受けの種類を一通りおさえておきましょう。
固定式
比較的シンプルな構造の棚受けです。L型をしていて、片方の辺を壁と固定してもう一辺に棚板を置きます。色や細かい形、サイズなどのバリエーションは豊富で、デザインや設計している壁付棚の大きさに合わせて適した棚受けを柔軟に選択可能です。
棚柱式
棚柱式は、柱状部品の任意の高さに壁板を置く部品を設置できるタイプの棚受けです。棚柱には多数の穴が開いているので、棚板を置く受け金具を差し込み・固定して設置します。接着せずにネジなどで固定すれば、あとで高さ変更が可能です。他の家具の配置や棚に置く物によって高さを変更する可能性がある場合には、棚柱式を使いましょう。
折りたたみ式
開いたときの形はL上に近いですが、棚板を置く辺を折りたためる構造の棚受けです。壁付棚を使用するタイミングが限られて、普段は棚板をしまってたたんで起きたい時に便利な形状といえます。キッチンなどスペースが限られた場所に、臨時で使用する棚を設置したいときなどには、折りたたみ式の棚受けを検討してみてください。
その他
その他にも、たとえば次のような棚受けがあります。
複数段あるはしご形
複数の棚板を一つの棚受けで取り付け可能です。
板のサイズが決まっているタイプ
板の両辺に固定して設置するタイプです。棚板とセットで販売されているため、設計の自由度は小さくなりますが、一般に棚受けが目立ちにくくすっきりとした印象を与えます。
天井から吊り下げるタイプ
天井から棒や金具で受け金具をつるし、そのうえに棚板を置くタイプです。個性的なデザインの棚に仕上がりますが、天井に取り付ける作業の難易度が高いのが難点といえます。
用途やデザインなどを踏まえて、自分がDIYで設計したい棚に合った棚受けを選んでください。
棚受け・ブラケットの選び方
棚受け・ブラケットを選ぶときには、次の観点で自分にあった部品を選んでください。
強度や耐荷重で選ぶ
木材・金属など材質はデザインと使用環境で選ぶ
棚板の幅に合ったものを選ぶ
それぞれの着眼点について詳しく紹介します。
強度や耐荷重で選ぶ
壁付棚の上に置く予定の物に対して充分な強度・耐荷重性を備えた棚受けを選ばなければなりません。市販の多くの棚受けには、耐荷重が明記されています。購入前にチェックして、充分な性能の部品を購入しましょう。また、棚板の長い壁付棚を設計しているときには、通常両端の2か所に設置する棚受けを3か所以上に増やして強度を高めるのも有効です。
木材・金属など材質はデザインと使用環境で選ぶ
棚受けには木材・金属・樹脂製などさまざまな材質のものがあります。室内全体や設計している壁付棚のデザインにマッチした製品を選びましょう。
また、使用場所の環境に合わせた材質を選ぶのも大切です。たとえば水回りでは樹脂製か、金属ならアルミ・ステンレス製など錆びにくい素材を選ぶ必要があります。
棚板の幅に合ったものを選ぶ
実用的な壁付棚を制作するためには、棚板の幅と合った棚受けを選ばなければなりません。基本的には棚板の2/3以上をカバーする棚受けを使用してください。それ以下では棚板を支え切れず、破損・落下する危険性があります。
壁付棚の制作方法
壁付棚は、大まかに次のような手順で制作します。
壁の下地を探す
棚受け金物を仮止めする
水平であることを確かめてしっかり打ち付ける
棚板を取り付けたら完成
それぞれの制作手順についてみていきましょう。
壁の下地を探す
日本の多くの住宅では、下地となる柱に石膏ボードなどの素材を設置して壁面を形成しています。充分な強度を得るうえで、棚受けは下地の部分に固定する必要があります。
下地の位置を正確に調べるには、センサーや磁石を活用した「下地探知機」という製品があるので、高い強度の壁付棚を制作するなら、あらかじめ用意しておきましょう。
棚受けを仮止めする
最初は棚受けを、中央のビスだけを打ち込んで仮止めします。最初から完全に固定してしまうと、水平にならず修正するときなどに穴が多くなってしまいます。
中央一か所だけなら壁にあける穴は最小限で済みますし、あとで棚受けの位置を上下に修正しても動かしても、金具で穴が隠れるため見た目に影響が出ません。全ての棚受けを仮止めしたら、棚板を置いてみて水平かどうかを確かめてください。
水平であることを確かめてしっかり打ち付ける
棚板が水平になるように棚受けの位置を上下に微修正して、確認が取れたら残りのビスも打ち込んでください。この時点で棚受けは壁に完全に固定するため、ゆるみのあるビスが内容に最終確認しましょう。
棚板を取り付けたら完成
棚受けに棚板を載せて、位置を微調整したうえで棚板と棚受けの間にビスを打ち付けて固定したら完成です。
なお、棚受けを活用した壁付棚を制作するには、さまざまな工具が必要です。「uncle-b」のオンラインストアではDIYに便利な工具を多数販売しています。壁付棚を制作するうえで足りない工具がある方は、ぜひuncle-bにてお買い求めください。
棚受けをDIYに活用すれば壁付棚を自由に設置可能に
棚受けをうまく活用すれば、住宅の壁に自由に壁付棚を作れるようになります。家具の棚が置けない場所にも収納スペースを確保できて便利ですし、内装のデザインの幅も広がります。今回の記事を参考にして、ぜひ壁付棚の政策にチャレンジしてみてください。
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