蝶番は様々な種類が販売されており、それぞれに特徴があります。

今回は、DIYで使われることの多い蝶番の種類と、基本的な使い方について詳しく解説いたします。

おすすめの工具もご紹介しておりますので、DIYにぜひお役立てください。

 

蝶番とは?蓋や扉の開閉に使われるパーツ


蝶番(ちょうつがい)とは、開き扉や箱の蓋など開いて開閉する木材を支えるためのパーツです。

古代エジプトの遺跡からも発掘され、日本では仏具として伝わり室町時代の辞書にも記載があるほど古くから使われてきた道具です。丁番(ちょうばん)、ヒンジとも呼ばれます。

蝶番には様々な種類がありますが、ベーシックなタイプの構造は以下の通りです。



画像引用元:Hinge - Wikipedia

2枚の羽根を組み合わせて真ん中のピン(回転軸)で支えることで開閉動作がスムーズに行えます。

ドアなどの建材だけではなく、ピアノの蓋やノートパソコン、トイレの蓋など開閉するパーツにほとんど蝶番が使われており、私たちの暮らしには欠かせない部品です。

 

蝶番の基本的な取り付け方


DIYで蝶番を取り付ける時の基本的な作業手順についてご紹介します。

 

掘り込みをする



画像引用元:How to Install Box Hinges : 6 Steps (with Pictures) – Instructables

掘り込みとは、蝶番の羽根部分の厚み分木材を削る作業です。

掘り込み作業を行わないと羽根の厚みの分隙間が出来てしまい、綺麗に閉まらなかったり、隙間が出来てしまいます。

ちょっと面倒な作業かもしれませんが、掘り込み作業を丁寧に行うことで仕上がりも大きく変わります。

掘り込み不要の蝶番も売られているので、最初はそういった商品を使ってもよいでしょう。

まずは、使用する蝶番を木材の設置箇所に当ててサイズと厚みが分かるよう墨付けをします。

墨付けした部分を掘っていくのですがノミや彫刻刀だと加減が難しいので、DIYではトリマーを使うのがおすすめです。

uncle-bでは高性能な充電式トリマーを販売しております。

微調整しやすいベース機能や、スピード調整機能がついているのでDIYを始めたばかりの方でも作業がしやすいモデルです。

蝶番の掘り込みにはストレートビットをご使用ください。

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掘り込みは少しずつ研削して蝶番を合わせて微調整します。

 

下穴をあける



画像引用元:How to Install Box Hinges : 6 Steps (with Pictures) – Instructables

掘り込みした部分に蝶番を当てて、穴の部分にキリやドリルを使って下穴を開けます。

ビス打ちの前に下穴を開けることで、木材が割れにくく、ビスが斜めに入るなどのトラブルが避けられます。

また、穴あけに使う工具の負担を軽減できるのでビスやねじを留める前には必ず下穴を開けましょう。

掘り込み不要の蝶番を使う場合は、蝶番がずれやすいのでマスキングテープを使って固定すると作業しやすいです。

 

ビス留めをする



画像引用元:How to Install Box Hinges : 6 Steps (with Pictures) – Instructables

最後に、ビスを打って蝶番を固定します。

ビスはドライバーで手動で留めてもよいですが、ドリルドライバーを使うと素早くしっかりと留められるのでおすすめです。

ドリルドライバーを使う際は高速だと蝶番の穴が変形することがあるので、必ず低速で行いましょう。

インパクトドライバーはパワーが強いので蝶番の穴あけにはあまり適しませんが、インパクト(打撃)を使わないドリルのみのモードで出力が調整できるものであれば使ってもよいでしょう。

uncle-bでは、初~中級者向けとPRO向けと仕様の異なるドリルドライバーを取り扱っております。

どちらもDIYには十分なスペックがあるので、用途や目的に合わせてお選びくださいませ、


・初~中級者向け

【Hi KOKI】14.4V コードレスインパクトドライバ(FWH14DGL/2LEGK)※バッテリー付


・PRO仕様

【Hi KOKI】14.4V コードレスドライバドリル(DS14DBL2/NN)※本体のみ

ビス留めが終わったら、扉や蓋がきちんと動くか開閉してみてください。

問題なく動けば蝶番の取り付け作業は完了です。

 

DIYで人気の蝶番5種類

蝶番は世界中で様々な形態・素材の物が販売されているため、何から買えばいいのか分からないという方もいるかもしれませんね。

こちらでは、数ある種類の中からDIYで人気の蝶番を5つご紹介していきます。

 

平蝶番(丁番)


画像引用元:Stainless Steel Butt Hinges | Door Butt Hinges by Sugatsune

最もベーシックな形の蝶番です。フラット蝶番、バットヒンジなどとも呼ばれますが、一般的に丁番というとこのタイプを指します。

取り付ける際は掘り込みが必要です。

 

フラッシュ蝶番


画像引用元:Polished Chrome Flush Hinges 76mm x 33mm 2 Pack - Screwfix

フラッシュ丁番は羽根の大きさが左右非対称なのが特徴です

重なった時に平蝶番の羽根1枚分くらいの大きさと厚みになるため、隙間ができにくい蝶番です。

普通の箱やちょっとした扉であれば掘り込みは不要です。

 

スライド蝶番


画像引用元:11 Different Types of Hinges and Their Uses - This Old House

スライド蝶番は回転軸を設けず、羽根と羽根をスライドさせることで開閉する仕組みの蝶番です。

扉が閉まった状態だと外から金具が見えず、隙間もできないので、食器棚や収納棚などキッチン周りの家具に多く用いられます。

一般的には掘り込みが必要なタイプが多く販売されていますが、掘り込み不要の製品もあります。

機能面でのバリエーションが多く、用途に応じて選びやすい蝶番です。

 

抜き差し蝶番


画像引用元:Lift Off Hinges | Specialty Hinges by Sugatsune America

抜き差し蝶番は、芯棒がついた片方の羽根にもう片方の羽根を差し込んで組み合わせる蝶番です。

羽根が分離するので、取り外しもしやすくメンテンナンスがしやすいのが利点です。

羽根が上下に分かれた旗蝶番は抜き差し蝶番の一種で、360°回転ができます。

 

ドロップ蝶番


画像引用元:DROP HINGE - Sugatsune Europe


ドロップ蝶番は、全開にした時にフラットになる蝶番です。



画像引用元:7 High-Tech Hinges | Woodsmith


開いた状態でも蝶番が干渉しにくく隙間もできにくいため、下開きの扉に良く用いられています。

英語ではFall down hingeと呼ばれることが多いですが、古いミシンの延長テーブルに使われていたことからsewing machine hinge(ミシン蝶番)とも呼ばれます。

 

まとめ

蝶番は普段の生活で何気なく目にする部品ですが、それぞれの種類の特徴を知ることでDIYの幅がぐっと広がります。

今回ご紹介したもの以外にも蝶番にはたくさんの種類があり、素材や機能性も多様なので、必ず作りたい物にあった製品が見つけられます。

取り付けの際には、今回ご紹介したポイントをぜひご活用ください。