釘の抜き方を知っていると、釘打ちを失敗した時や木材をリユースしたい時に役立ちます。
釘抜という専用の工具を使うのが一般的ですが、DIYだと釘抜きを持っていない人もいるでしょう。
そこで今回は、正しい釘の抜き方を釘抜きがある場合・ない場合の両方で解説したいと思います。
目次
釘抜を使った釘の抜き方
釘抜きの使い方はとてもシンプルです。
釘抜きの先端部分に釘の頭をひっかけ、手前に引いて釘を抜くだけ。
てこの原理で大きな力を入れなくても比較的容易に釘が抜けるので、打ち損じた釘を抜く時や古い家具等を解体する時に用いられています。
コツとしては、釘を抜く際に柄の先端の方を握ること。
釘を挟んだ部分が力点、L字にカーブしている部分が支点となるので、作用点を遠くにすることで小さな力で釘抜きができます。
支点に近い部分を握るとてこの原理が上手く働かず、釘を抜くために力をいれなければなりません。
頭が入り込んでしまったら
釘の頭が木材に入り込んでしまった場合は、釘抜きが引っ掛かりにくいので作業時には少し工夫が必要です。
釘抜きの先端を木の表面に対してやや立てるように構え、釘の周りの材料ごと食い込ませてひっかけていきます。
画像引用元:How to remove a nail
この方法だと、釘周辺の材料も削れてしまうので、必要に応じてパテや補修剤などを使って表面を滑らかに整えましょう。
釘抜はいくつかサイズをそろえておこう
釘抜きは小さいサイズから、大きな釘に使える大きなものまで多様なサイズが販売されています。
ある程度色々なサイズの釘に対応できるように、釘抜きもいくつかサイズ違いで揃えておくことをおすすめします。
釘抜きに使用する場合は、250mm~400mmくらいのサイズだと使いやすいですよ。
大きいサイズは釘抜き以外にもちょっとした解体作業にも使えます。
当て板をしてへこみ防止
画像引用元:How to pull nails to salvage scrap wood
釘抜きが当たる部分は力が集中するため、その部分の木材が凹んでしまうことがあります。
凹みを防止するためには当て板を当てながら作業を行うのがおすすめです。
使わない端切れの木材でもいいので、釘抜きの下に敷くと傷や凹みがつくのを防げます。
当て木の使い方は以下の通りです。
1.釘の頭を釘抜きで挟む
↓
2.釘抜きのおしりの部分を少し浮かせて当て木をあてる
↓
3.木材をしっかり押さえながら釘抜きの柄を手前に引く
当て木の厚さは、打ち損じたものを途中で抜く場合や釘がかなり表面に出ている場合は上記の画像のように厚いもの、しっかりと打ち込まれている釘を抜く時は薄い板を使うと作業しやすいです。
釘抜きの種類
釘抜きとして使われる工具には色々な種類があります。
DIYでも使われるベーシックなものを3つご紹介いたします。
バール
画像引用元:WRECKING BAR 300P - Luna tools
バール(かなてこ)は金属製の長い棒で作られた工具で、片方の先端がL字の釘抜き、もう片方がヘラのように平らな形状になっています。
L字の部分は釘抜きや細かい部分のてことして、平らなヘラ部分は木材の接合部などの剥離に仕様します。
DIYだと15~30cmほどの小さめのサイズが用いられることが多く、1ⅿ近くあるような大きなタイプ(大)バールは大型家具や壁などの解体にも用いられます。
カジヤ
画像引用元:The 30 Best Nail Pullers of 2023 [Early Deals] - Cherry Picks
カジヤ(鍛冶屋)は、日本で使われてきた釘抜きに特化している工具です。
バールとよく似ている見た目ですが、平な方にも釘が引っかかるようスリットが入っているのが特徴です。
また、L字になっているヘッド部分はハンマーとしても使えます。
かなづち
画像引用元:Claw Hammer TC | Hultafors Tools
かなづちのヘッド部分の片方に釘抜きがついた片口タイプは、釘抜きとして使用できます。
海外ではネイルハンマー(nail hammer)と呼ばれ、DIYからプロの現場まで広く使われています。
こちらも、バールやカジヤのようにV字のスリットが入った部分に釘を引っ掛けて、てこの原理で釘を抜きます。
バール等よりもヘッド部分が大きく木材に跡が残りやすいため、釘抜きとして使う場合は木の種類に関わらず当て木を当てるのがおすすめです。
釘抜きがない場合の釘の抜き方は?
釘抜きがない場合に代用として使える工具と、それぞれの使用方法についてご紹介します。
ペンチ
画像引用元:3 Easy Ways to Pull Nails - wikiHow
最も手軽なのがペンチを使って釘抜きをする方法です。
釘が浮いている場合は、そのままペンチで釘を掴んで引っ張って釘を抜きます。
しっかり釘が打ち込まれていてペンチで掴めない場合は、ニッパーやマイナスドライバーで釘の頭を出してから釘抜きを行いましょう。
小さめ~通常サイズの釘の場合、力を入れすぎると釘が途中で着れてしまうことがあります。
徐々に力を入れていくと作業がしやすいですよ。
ウォータープライヤーを使う
画像引用元:The Best Adjustable Pliers | Reviews by Wirecutter
ウォータープライヤー(またはウォーターポンププライヤー)は、水回りの配管工事に使われる工具で、ナットやカップリングを締め付けるために使われます。
様々な径の配管に対応できるように口の開きが多段階式になっているのが特徴です。
このウォータープライヤーも、ペンチと同様に釘を掴んで抜くことができます。
対象物を掴む部分がフラットになっていて切れにくいので、ペンチよりも力加減の調整がしやすいかもしれません。
釘の頭が取れてしまった場合でも対応できます。
錆びている釘を抜く時は頭を少し叩く
釘が錆びていると、錆びた部分が木材に食い込んで抜きにくくなります。
この特性を活かし、施工の際に釘が抜けないようわざと釘を錆びるようにして打ち込むというテクニックもあるほど。
錆びた釘専用の道具もありますが、「釘を叩く」という作業前のちょっとしたひと手間をかければ通常の釘抜き等で釘が抜けます。
釘が埋まっている状態で2~3回かなづちで叩くと、錆びの部分が釘から離れて釘が抜きやすくなります。
錆びが根強い場合は叩く回数を増やすと良いでしょう。
まとめ
釘抜きは木材を使ったDIYをする方には必需品とも言える存在です。
打ち損じた時や修正の際に釘を抜くのはもちろんのこと、ハンマーの代わりに釘打ちをしたり、木工の解体をしたりと多様な使い道があります。
釘抜きをしたいのにバールやカジヤがない!という場合は、本文でもご紹介したようにペンチやウォータープライヤーで代用いただけます。
ただ、釘抜きはひとつあるととても便利なのでDIYをはじめたばかりの方はまず小型の釘抜きから始めて、作る作品のサイズに合わせて揃えていくことをおすすめします。