ハトメは布や薄い繊維素材などに穴を開けてひもを通す際、素材を補強する目的で使用するものです。また、ハトメをデザイン上のアクセントとして活用する場合もあります。
ファッション雑貨や一部衣類などにも使われますが、DIYでも垂れ幕やのれん、タペストリーを作成するときなどにハトメを使用します。
この記事では、ハトメについてカシメとの違いやDIYでの使い方などとともに紹介します。ハトメの使い方をおさえておけば、DIYで実現可能な室内内装のデザインの幅も広がるでしょう。
目次
ハトメとは?
ハトメとは、布や皮、化学繊維などの薄い素材に開けた穴に取り付けるリング状のパーツで、本来の用途は穴が広がらないように補強する素材です。
一方で、布地と質感が異なり目立つパーツであるため、デザインにおけるアクセントの役割も果たしています。衣料品やファッション雑貨の加工に使われるほか、DIYでも垂れ幕やのれんを制作する時などに活用します。
ハトメの素材
ハトメの素材には、さまざまな種類があります。一般には鉄、真鍮やアルミなど金属性をイメージしやすいですが、その他にも木製や樹脂・プラスチック製などのハトメもあります。強度やデザイン性、用途などをふまえて適した素材のハトメを使用しましょう。
ハトメの大きさ
ハトメの大きさは「#+数字」により表現される種類によって異なります。標準サイズは#25でハトメの内側の穴の直径である「内径」が9.5mm、外側の直径である「外径」が19mmです。そこから、二桁の数字が大きくなるにつれて内径・外径が大きくなります。
#25・#28・#30・#32などがあり、#32で内径18mm、外径33.8mmです。大きな幕や重い素材には太いひもやロープを取り付けるため、大きなハトメを使用する傾向にあります。なお、後ろの数字が3ケタの場合は小さいハトメです。たとえば、#300は、内径が5mm、外径が9mmとなります。
ハトメはダイソーやホームセンター、手芸店などで買える
ハトメは以下のような場所で販売しています。
・ホームセンター|コメリ・コーナン・ビバホームなど
・100円ショップ|ダイソー・セリアなど
・手芸店|ユザワヤ・オカダヤなど
・量販店・小売店|東急ハンズ・ヨドバシカメラなど
・ECサービス|AMAZON・楽天市場など
実は、多様な店舗で購入する機会があります。また、ECサービスを利用すれば出かけずに購入も可能です。
カシメとハトメの違いは?
ハトメと似た形状のパーツに「カシメ」がありますが、ハトメとカシメは用途が異なります。どちらも布など薄い素材に使用する点では共通していますが、カシメは二つ以上の素材を上下で挟んでつなぐためのパーツです。
また、ハトメは中にひもやロープなどを通すケースが多いためリング上をしていますが、カシメはボタン上の形状をしていて、完成形では穴は開きません。それぞれの用途を踏まえて、適したパーツを使用してください。
ハトメの用途
ハトメは穴が時間と共に広がったり、穴の周りから素材が破れたりするのを防ぐ補強の目的で使用します。アクセサリー・衣料品を加工する際やDIYでさかんに用いられるパーツです。
アクセサリーや衣料品にしばしば使われる
アクセサリー雑貨や衣料品において、穴を補強すると共にデザインの一部としてハトメが盛んに使用されます。たとえば、靴紐を通す穴や財布やキーホルダーのチェーンを通す穴やベルト穴の補強などに使用されます。
金属製のハトメなどは、ひもを通す必要がない箇所の穴に、デザインの一部として取り入れられる場合も多いです。たとえば、デニムのポケット部分などにハトメ付きの小さな穴を取り付ける場合などがあります。
DIYで活用すれば布や繊維の加工がしやすくなる
布や繊維製品をDIYで加工するときにも、ハトメをしばしば使用します。使用例が多いのはカーテンやのれんを制作するときです。突っ張り棒などにカーテン・のれんなどを通すときに穴をハトメで補強すれば、穴の部分から劣化するのを防げます。
衣類やアクセサリーなどとくらべて大きな布に使用するケースが多いため、より大きな直径で強度のあるハトメを使用するケースが多いです。
「uncle-b」では、このほかにもDIYに関する様々なお役立ち情報を発信しています。これからDIYにチャレンジしたい方も、DIYが趣味でもっと上達したい方もぜひ参考にしてください。
ハトメの付け方・使い方
ハトメは、専用の工具を使用して素材に適度な直径の穴を開けたうえで取り付けます。ハトメにあった直径の穴を開けないと、うまく取り付けられなかったり外れやすくなったりするため、手順に沿って丁寧に作業を進めてください。
ハトメの取り付けに必要な工具
ハトメを取り付ける際の基本的な工具は次の4点です。
・穴開け具
・打ち具
・打ち台
・金づち
穴開け具が細い筒状、打ち具が棒状で、打ち台はくぼみのあるリング上の形となっています。穴開け具・打ち具はハトメのサイズに合った物を用意してください。
なお、ペンチのような形状で穴開けやハトメの取り付けが一気に出来るハトメパンチがあれば、工具一つでハトメ取り付けが可能です。また、業務用などでは、自動で高速でハトメを取り付ける機械もあります。今回は手作業で取り付ける想定で、打ち方を紹介します。
手打ちでのハトメの打ち方
穴開け具と打ち具、打ち台、金づちで作業するケースを例にハトメの打ち方を紹介します。まず、ゴム板など柔らかい素材のうえに穴を開ける布を敷きます。続いて、穴開け具を立て、金づちで打ち付けて穴を開けてください。
次に、ハトメの凸型になっている部品を穴に押し込み、布の反対側に来る凸型部品の先にリング状の部品を押し込みます。最後に打ち台のうえに凸型の部品が下に来るように布を置いて、上から打ち具を金づちでたたいて、凸型部品の上部を潰して完成です。部品が潰れることにより、ハトメのリングが外れなくなって、固定される仕組みです。
ハトメを取り外すときは?
ハトメを取り外すときにはニッパーやキリなどを使用します。ハトメを取り付ける際に潰した凸型部品の上部を、ニッパーやキリで丁寧に戻していきます。
その後、リング状の部品を取り外し、次いで凸型の部品を丁寧に穴から引き抜いてください。なお、取り外す際には穴が変形しやすいので、無理な力をかけずに丁寧に作業しましょう。
ハトメをきれいに取り付けるコツ
ハトメを手作業できれいに取り付けるためには、次のポイントに留意しましょう。
・打ち具・穴開け具・打ち台をハトメのサイズに合ったものにする
・金づちを打つときには打ち具・穴開け具に対して垂直に打ち付ける
・打ち具を少しづつ回転させながら金づちを打つ
打ち具・穴開け具・打ち台は直径がハトメとずれているとうまく機能しません。また、直径が同じでもカーブの形状などが異なっているときれいに仕上がらない可能性があります。同じ直径用で、かつハトメ自体と同じ製造会社の工具を使用するのが望ましいといえます。
また、金づちを打つ場面では、工具を垂直に立てて金づちを真上から垂直に振り下ろしてください。打ち付ける面に均等に力をかけるのが、きれいに仕上げるコツです。
最後に打ち具でハトメの凸型部品を潰す場面では、打ち具を少しずつ回転させながら金づちを打ちましょう。打ち具の断面が完全な平らでない場合も、この手法ならきれいに金具を潰して固定できます。
ハトメをDIYや手作り雑貨に活用しよう
ハトメは布や繊維素材などの穴を補強するパーツで、カーテンや暖簾などを制作・加工するときに盛んに用いられています。DIYを趣味にしている方も、ハトメの種類や材質の違いを理解したうえで、取り付け方をマスターしておくと便利です。
今回の記事を参考にしつつハトメに合った工具を用意して、布や繊維素材を使ったDIYにチャレンジしてみましょう。なお、「uncle-b」のオンラインストアではDIY向けのさまざまな商品を販売しています。
DIYに使用する工具や材料を探している方は、ぜひショップを覗いてみてください。