蜜蝋ワックスは蜜蝋と植物オイルを使った環境に優しい成分のワックスです。

自然なツヤで、木材の持つ風合いが生かせるため、ナチュラルな仕上がりが好きな方に人気があります。

今回は、

・蜜蝋ワックスの特徴

・蜜蝋ワックスの使い方

・蜜蝋ワックスを使う時の注意点

・おすすめの塗料

についてご紹介します。

 

蜜蝋ワックスとは?天然成分を使ったワックス


蜜蝋(みつろう)ワックスとは、ミツバチの巣を原料にして作られたワックスのことです。

蜜蝋が使われ始めたのは古代エジプト時代からで、現在にいたるまでワックスとして木や革の艶出しはもちろん、化粧品、医療、食用など幅広い分野で用いられています。

蜜蝋ワックスは、ミツバチの巣を溶かして不純物や不要なものを取り除いた状態にしたものに、植物油や樹脂等を混ぜて作られます。

以下では、植物油を使用したものと樹脂等を組み合わせたもの、それぞれの蜜蠟ワックスの違いをご紹介していきます。

 

蜜蝋と植物油や樹脂だけでできているもの

植物油と蜜蠟を混ぜて作るワックスには、えごま油・亜麻仁油・桐油・菜種油・椿油・ヒバ油・オリーブ油などが使われます。

えごま油・亜麻仁油・桐油は、乾性油といって空気に触れると酸化して固まる性質があり、木の表面を保護するため、ワックスや塗料として昔から用いられてきました。

こうした植物油と蜜蠟をブレンドすることで、それぞれ単体よりも強い皮膜を形成します。

他にも、ロジンといって松脂を原料とする樹脂を使って蜜蝋ワックスを作ることもあります。

ロジンは粘度が高く艶が出るので、塗料やワックスの材料として用いられます。

上記の材料はどれか1種類で使われることもありますが、それぞれの素材の良さを活かしつつ使いやすくするために、複数の種類をブレンドすることも多いです。

 

蜜蝋と鉱物油を組み合わせたもの

蜜蝋ワックスには自然由来の素材の他に、イソパラフィンなどの炭化水素系溶剤を使ったものもあります。

イソパラフィンは石油を原料としていますが、毒性が低くPRTR・有機溶剤中毒予防規則に該当しません。

また、エモリエント成分として化粧品にも添加されるので、炭化水素系溶剤の中でも安心して利用できる成分と言えるでしょう。

 

蜜蝋ワックスが使える素材


蜜蝋ワックスが使えるのはどんな素材なのかご説明します。

 

無塗装の木材

蜜蝋ワックスは木材の保護や艶だしによく使われますが、塗布できるのは無塗装の木材です。

無垢材など無塗装の木材に蜜蠟ワックスを塗り込むと、自然に色が深くなり艶が出て汚れや水などを弾きやすくなります。

ウレタンなど人工樹脂を使った塗料・コート剤などが塗布されている木材に蜜蠟ワックスを塗ると弾いてしまうので使えません。

 

本革

本革のケアにはレザー用ワックスを使う方が多いですが、実は蜜蠟ワックスも革製品のメンテナンスに使用できます。

革製品に蜜蠟ワックスを塗ると、光沢が出て自然に深みが出ます。

レザー用ワックスよりも蜜蠟ワックスの方が柔らかく匂いが少ないので、塗りやすいという違いがあります。

本革もツヤが出るように塗装やコーティングしている製品には使えません。

 

蜜蝋ワックスの使い方


蜜蝋ワックスの使い方について手順ごとに解説していきます。

実際に蜜蠟ワックスを塗る前に、必要な道具を用意しておきましょう。

・蜜蠟ワックス

ウエスまたはキッチンペーパー(塗り込みとふき取りに使うので複数枚)

必要であればヘラやスパチュラ(蜜蠟ワックスが大容量の場合など)

 

ウエスに蜜蝋ワックスを取る


画像引用元:How to use wax wood polishes - Safeguard Europe

まずはウエスなどに蜜蠟ワックスを取ります。

量は少量ずつ取って塗布してください。量が多すぎるとべたつきなどの原因となります。

 

木目に沿ってしっかり塗り込む


画像引用元:Top Tips On Wax Polishing And It's Application | Axminster Tools International

ウエスに取った蜜蠟ワックスをしっかりと塗り込みます。

木目に沿って塗り込むように意識するときれいに仕上がります。

 

しっかりと乾燥させる

ワックスを塗りたい部分にしっかりと塗り込んだら、8時間ほど乾かします。

時間をかけて乾かすことでワックスの油分が木材に浸透します。

8時間以上経過したら表面の余分なワックスをウエスで軽く拭きとって作業は完了です。

 

蜜蝋ワックスを使う時の注意点


ナチュラルな成分で木材や革製品の艶出しができるとDIYでも人気の蜜蠟ワックスですが、塗布する場所や塗布後の扱いには注意が必要です。

こちらでは3つの注意点についてご紹介していきます。

 

濡れたまま放置するとシミができる

蜜蠟ワックスを塗布すると水を弾く作用があるとご説明しましたが、化学系塗料やコート剤よりは撥水効果は劣ります。

水がついた状態で放置していくと少しずつ木材に水分が染みこみ、シミになることも。

蜜蠟ワックスを施したものに水分がついてしまったら、早めにふき取りましょう。

 

コート済の木材には使えない

先ほどもご説明しましたが、膜を作るタイプの塗料やコート剤を塗布した木材には蜜蠟ワックスが使えません。

見た目で分かりにくい場合は水滴を垂らしてみましょう。水滴が表面に馴染まず玉のように弾く場合はコーティング済の可能性が高いです。

どうしても使いたい場合はサンドペーパーや専用のリムーバーで除去してから蜜蠟ワックスを塗り込むという方法もありますが、ムラになりやすいので丁寧な作業が必要です。

既製品の家具はウレタンコートなどを施されているものも多いので、家具に蜜蠟ワックスを使いたい場合は購入前によくご確認ください。

 

高温になる場所や屋外には不向き

蜜蝋ワックスは熱に弱く、40度〜45度以上になると溶けてしまいます。

そのため、

・屋外に設置するもの

・直射日光が長時間当たる場所

・食洗機に入れるもの

・オーブンやグリルなど高温になる機器の近くに置くもの

などへの使用は控えましょう。

 

素材にこだわるならいろはカラーもおすすめ

蜜蝋ワックスのように天然由来の材料を使ってDIYしたいという方には、アールジェイのいろはカラーもおすすめです。

いろはカラーは、桐油・亜麻仁油・松脂樹脂・ベンガラなど、古くから日本で用いられてきた植物由来の成分をたっぷり配合した人にも環境にも優しい塗料です。

植物オイルが木材に浸透するタイプの塗料なので、木が持つ調湿作用を妨げません。

また、塗膜を作らないため木が持つ質感や木目を活かしたまま着色できます。

屋内・屋外兼用なので、DIYでも広くお使いいただけます。

価格や容量などの商品詳細はこちらからご確認ください。


【アールジェイ】いろはカラー(屋内・屋外兼用)

 

まとめ

蜜蠟ワックスは、ミツバチの巣を原料にしたナチュラルなワックスです。

木材に自然な艶を出したい、自然で優しい材料でDIYをしたい、といった時に用いられています。

蜜蠟ワックスには木の調湿作用を妨げないというメリットがある一方で、長く水に触れてると水分が木に染みこんでシミになってしまったり、高温になる場所には使えないといったデメリットもあります。

しかし、蜜蠟ワックスは塗り作業がしやすく匂いも少ないので、屋内で使う家具や建具のメンテナンスに適しています。

蜜蠟ワックスのように自然に優しい塗料をお探しの方は、いろはカラーもおすすめです。