クランプは材料を固定して動かないようにするための工具です。

用途に応じて様々な形状があり、種類によって使い方が異なります。

材料のカット、接着、ビス打ちなどDIYのあらゆる場面で使われていますが、これからDIYを始める方にとってはどれを選べばいいか、どう使えばいいかが分かりにくいかもしれません。

今回は、クランプの種類ごとの使い方について解説いたします。

 

クランプは木材などを固定するための工具


クランプは木材や金属などの材料を固定するために使われる工具です。

「締め具」「万力」と呼ばれることも。

  • 材料のカット
  • 研磨作業
  • 穴あけ
  • 組立
  • 材料の接着
  • 材料の締め付け
  • 材料の拡張
  • その他細かい材料の加工など

などの用途で用いられています。

クランプを使うことで、材料が動かず正確に作業できる、両手が使える、接着剤の硬化や締め付け・拡張など時間がかかる作業も手軽にできるといったメリットがあります。

 

クランプとバイスの違い

クランプのように固定のために使われる工具として、バイスがあります。

バイスは作業台に台座をネジや取付用クランプなどで固定して、2つの口金で材料を挟んで固定します。

一方クランプは作業台と材料を一緒に挟んで固定することもありますが、工具自体は作業台などに固定されているわけではありません。

一般的なバイスはねじ穴が開いているなど作業台がバイスに対応している必要がありますが、クランプは色々な場所で使えます。

 

クランプの使い方を種類ごとに解説


ちなみに、クランプの上下の挟みこむ部分のことは「アゴ」と呼びます。

 

C型クランプ


画像引用元:Wood Clamps For Professionals And DIY Big Ballers

最もスタンダードなタイプのクランプで、アルファベットのCのような形をしているためC型クランプと呼ばれています。

「シャコ万力」「G型クランプ」と呼ばれることもあります。

ねじを締めることで材料を固定するという仕組みで、クランプの中でも締め付ける力が強力なのが特徴です。

価格もリーズナブルかつ取り扱っているお店も多いので、最も入手しやすいクランプと言えるでしょう。

小さいサイズのものは100円ショップでも販売されています。

 

使い方

C型クランプの使い方はとてもシンプルです。

固定したい材料の厚みに合わせてねじを締めて固定するだけ。

ただ、C型クランプは締め付ける力が強いので、木材に使うと跡がつきやすいので当て木などを挟むとよいでしょう。

 

F型クランプ


画像引用元:Wood Clamps For Professionals And DIY Big Ballers

アルファベットのFのような形からその名がついたF型クランプ(L型クランプと呼ばれることもあります)。

C型クランプと比べると締め付ける力は少し劣るものの、下側のアゴがスライドして位置決めをしやすいこと、同じサイズのC型クランプよりも開口(縦)と懐(奥行)のスペースが広いので一般的にもよく使用されています。

 

使い方

F型クランプの使い方についてご紹介します。

まず、下のアゴについているハンドル部分を緩めて、上下のアゴを挟みたい部分の厚さよりも少し大きめくらいに調整します。

次にハンドルを締めてしっかりと材料を締め付けていきます。作業中に動かないようしっかりと締め付ける必要がありますが、木材など跡がつきやすい素材のものは変形・破損しないよう注意しましょう。

 

バネクランプ


画像引用元:Wood Clamps For Professionals And DIY Big Ballers

バネクランプとは、洗濯ばさみのような形状のクランプです。

バネの力を使うので、スプリングクランプとも呼ばれます。

C型・F型クランプのように自分でネジを調節する必要がなく手軽に使えるのが特徴です。

締め付ける力はそれほど強くありませんが、簡単につけ外しができるので薄い材料の固定におすすめです。

また、一般的なバネクランプの他にも、ラチェット機構を取り入れて締め付け固定がしやすいラチェットタイプや、材料を挟む部分が伸縮できるタイプもあります。

ただネジで固定するタイプのクランプよりも固定する力は弱くなるので、厚みのある材料の固定やパワーが必要な作業にはあまり使われません。

 

使い方


画像引用元:Wood Clamps For Professionals And DIY Big Ballers

バネクランプはスプリングが入ったグリップ部分を掴んで材料を挟むだけで装着完了です。

小さめのものであれば片手で装着できますが、大きいサイズのバネクランプは片手で装着するのは難しいかもしれません。

ロック付きの製品だと装着しやすいので、大きいバネクランプを買う時はロック機能の有無をチェックするとよいでしょう。

 

コーナークランプ


画像引用元:Wood Clamps For Professionals And DIY Big Ballers

コーナークランプは、額縁や棚など2枚の板を直角に固定する際に使うクランプです。


画像引用元:How to Use a Corner Clamp Properly | Spokes Buzz

プロの現場でも使われますが2枚の板を同時に固定するので加工や接着時にずれずに作業できるので、自分で小物や家具を作りたい時にも重宝しますよ。

DIYでは2×4の加工に使われることが多いです。

 

使い方

コーナークランプの使い方は、他のクランプとは少し異なります。

2か所挟む場所があるので、まず片方に板をセットしてゆるめにねじを締めます。

もう片方も同じように材料をセットして、2枚の板がぴったりくっつくように調整してねじをしっかりと締めます。

動かないことを確認してビス打ちなどを行いましょう。

 

ベルトクランプ


画像引用元:Wood Clamps For Professionals And DIY Big Ballers

ベルトクランプは、主に接着剤を塗布する際に使用するクランプです。

他のクランプとは違って柔軟性のあるベルトを使って締め付けるので、様々な大きさや形状で固定できます。

コーナーパット(直角に固定するためのパーツ)をベルトにつければ4枚の板をクランプひとつで固定できるので、木箱や家具作りなどによく使われます。

クランプ以外にも材料や資材をまとめる結束用ベルトとしても使用できます。

 

使い方

四角に固定する場合のコーナークランプの使い方をご紹介します。

まずは固定したい物のサイズよりも1周り~2周りくらい大きめにベルトを出して、コーナーパットをつけます。

ベルトの端をラチェット(留め具)に通して、固定する物に合わせて徐々にベルトを巻き取って締め付けます。

固定負荷まで締め付けたらラチェットにロックをしてベルトがゆるまないようにしましょう。

ラチェットが金具でできている場合は、木材に当たる部分に当て板をするときれいに仕上げられます。



 

まとめ

クランプは色々な種類があり、それぞれに使い方や適した用途が異なります。

電動工具を使ったパワフルな作業をする場合はC型クランプ、小物や作品の工作をしたい方はコーナークランプやベルトクランプ・・・といったように、種類やサイズ違いでいくつかクランプを持っていると幅広い作業に対応できるのでおすすめです。

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