インテリアグリーンとは、室内で育てる植物のことで、いわゆる観葉植物の一種ともいえます。
単に植物を育てるだけでなく、インテリアの一つとしての調和を意識して植物選びや配置を検討するのが特徴です。
今回の記事では、インテリアグリーンの基本知識、おすすめの種類や育てるうえでのコツを紹介します。
インテリアグリーンをどのように取り入れようかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インテリアグリーンとは
インテリアグリーンとは、室内に飾って楽しむ植物のことです。
観葉植物の一種とみなされることもありますが、観葉植物は庭や軒先で育てる植物も含まれるのに対して、専ら室内をメインに育てるものを指します。
また、インテリアグリーンは、自宅の室内に自然のエッセンスを加える役割を果たすのが特徴です。
単なる観葉植物よりも家具や壁、ラグやフローリングのように、インテリアを構成する要素として捉えられます。
植物を取り入れることで、無機質な部屋にも温もりと潤いが生まれ、空間全体に生き生きとした表情が加わります。
住宅はもちろん、オフィスや店舗、カフェなどさまざまなシーンで、インテリアグリーンが取り入れられるようになっています。
植物にはインテリアとしての美しさだけでなく、心を落ち着かせる効果や、空気をきれいにする力もあるため、単なる装飾品以上の価値を持つ存在です。
インテリアグリーンの効果
インテリアグリーンには、主に次のような効果があります。
- おしゃれな空間を形成できる
- 立体的なリビング・部屋をデザインできる
- リラックスできる部屋になる
- 空気清浄化や調湿効果がある
それぞれの効果を踏まえて、インテリアグリーンを取り入れるべきかを検討しましょう。
おしゃれな空間を形成できる
インテリアグリーンを取り入れるメリットのひとつは、空間にアクセントを与え、おしゃれな雰囲気を演出できることです。
たとえば、白を基調としたシンプルなリビングに、インテリアグリーンの鮮やかな緑を加えると、スタイリッシュな印象が引き立ちます。
家具や壁、カーテンなどを落ち着いた色味でまとめ、インテリアグリーンを配置することで、植物本来の美しさを際立たせられるのです。
立体的なリビング・部屋をデザインできる
家具だけでインテリアをデザインすると、しばしば平面的な印象を持たれがちです。
そこで、高さのある観葉植物を配置することで、より立体的なレイアウトが可能になります。
たとえば、ドラセナのように上に向かって伸びる植物を部屋の角に置くと、視線が上方向に誘導され、空間の奥行きや広がりを感じさせることができます。
立体的な部屋をデザインするときには、部屋に一番最初に入ったときに目に止まる「フォーカルポイント」に背の高い木を置くのがセオリーです。
インテリアグリーンの中には1メートルを超える種類もありますが、これほどの高さを出せる家具や装飾品は限られているので、インテリアグリーンの配置が有効な手段となります。
リラックスできる部屋になる
植物には視覚的な癒し効果があり、自然と心を落ち着かせる力があります。
緑色は人間の副交感神経を刺激し、ストレスを和らげる効果があります。
また、植物が放出する「フィトンチッド」という物質も、副交感神経を活発化させて、イライラを抑えたり、リラックスしたりする効果があります。
近年では医療・福祉の現場でも「グリーンセラピー」として植物を活用した療法が取り入れられています。
自宅にインテリアグリーンを置くことで、自然なリラックス空間が生まれ、仕事や家事で疲れた心身を優しく癒してくれるでしょう。
リモートワークが多い方は、仕事部屋にグリーンを取り入れるのもおすすめです。
ストレスを軽減して、快適な環境で仕事を進められます。
空気清浄化や調湿効果がある
インテリアグリーンは、湿度や空気環境を整える役割も果たします。
植物には、空気中の有害物質を吸収・分解する力があります。
インテリアグリーンのなかでは、サンスベリアやポトスといった種類が、空気清浄化の作用が強い植物です。
さらに、植物が行う蒸散作用によって、室内の湿度を自然に調整する効果も期待できます。
エアコンの使用による乾燥が気になる季節でも、植物を置くことで自然な加湿ができ、快適な住環境を維持できます。
インテリアグリーン初心者におすすめ品種7選
室内にグリーンを取り入れるにあたって、初心者の方でも育てやすく、インテリア性にも優れた植物を選ぶことは非常に重要です。
ここでは、はじめてインテリアグリーンを育てる人におすすめの、次の種類を紹介します。
- モンステラ
- パキラ
- クワズイモ
- アイビー
- ポトス
- 多肉植物
- ドラセナ
モンステラ
モンステラは、アメリカ大陸の熱帯地域が原産で、エキゾチックな雰囲気漂う大きな切れ込みのある葉が特徴です。
特徴的な見た目をしているため、1鉢置けば印象的な室内を演出できます。
耐陰性が強く、室内の明るい日陰でも育つため、設置場所にあまり困らないのが魅力です。
乾燥にも比較的強く、土が乾いてからたっぷり水を与えることで育てられます。
ただし、寒さには弱いので、冬場の温度管理には注意しましょう。
成長が早いため、育てる楽しみを実感できる点も初心者に向いています。
成長が進んだときには、鉢の植え替えを行なってください。
パキラ
続いて紹介するのは、幸運の樹とも呼ばれるパキラです。
手のひら状の葉と、編み込まれた幹が特徴で、開運アイテムとしても人気があります。
比較的日光を好みますが、耐陰性もあり室内でも問題なく育てられます。
水やりについて、夏と冬で適量が異なるのが特徴です。
夏は鉢底から流れ出るくらいたっぷりと上げてください。
一方で、冬は土が乾燥して3〜4日後が適度なタイミングです。
大きく育つと、リビングのアクセントとして存在感を放つインテリアグリーンになります。
クワズイモ
存在感のある大きなハート型の葉を持つクワズイモも、初心者向けのおすすめ品種です。
南国のリゾートを思わせる豪快なフォルムがインテリアにダイナミックな印象をもたらします。
耐暑性が高い反面やや寒さに弱いので、冬場の温度管理には特に注意しましょう。
明るい場所を好むものの、室内でも日当たりが良い場所であれば問題なく育てられます。
比較的乾燥に強く、室内でも育てやすい植物のひとつです。
独特な葉姿を活かして、リビングや広めのダイニングに飾ると効果的でしょう。
パキラと同様に、幸運をもたらすインテリアグリーンとしても知られています。
アイビー
アイビーは、つる性のインテリアグリーンの代表格として親しまれています。
葉の形や色合いにバリエーションがあり、吊り下げたり、棚から垂らしたり、壁に這わせたりと、自由度の高いアレンジが可能です。
耐陰性が強く、光があまり入らない場所でも元気に育つため、玄関やトイレ、北向きの部屋などにも適しています。
成長が早く、剪定をしながら好みの形に整えていく楽しみも味わえます。
また、寒さ・暑さの双方に強い頑丈さも特徴です。
初心者がつる性のインテリアグリーンにチャレンジするなら、アイビーから始めるのがおすすめです。
ポトス
室内植物の王道ともいえるポトスは、育てやすさ、見た目の美しさ、環境適応力の三拍子がそろった品種です。
斑入りの葉がとても華やかで、明るい空間にも、落ち着いた空間にもマッチします。
水やりは控えめでよく、多少放置しても枯れにくいため、育てやすのが特徴です。
耐陰性があるため、日当たりのよくない室内でも育てやすい種類といえます。
ただし、寒さにはあまり強くないので、冬場の温度管理に注意が必要です。
吊るしたり、壁面ディスプレイに使ったり、様々な飾り方ができるため、インテリア性も抜群です。
多肉植物
小型のインテリアグリーンをお求めなら、多肉植物が初心者におすすめです。
多肉植物は乾燥に非常に強く、水やりの頻度も少なくて済みます。
頑丈な植物が多く、忙しい日常生活の中でも気軽に育てられます。
種類が豊富で、複数種を集めて寄せ植えを楽しんだり、デスクやキッチンカウンターに飾ったりと、さまざまなアレンジが可能です。
湿度には弱いため、土が完全に乾いたら水を与えるくらいが理想的です。
食卓やリビングのテーブル、棚の一角などに飾ると、室内に彩りが生まれます。
ドラセナ
ドラセナは、スリムでスタイリッシュなフォルムの葉が特徴です。
モダンな印象のインテリアに非常によく合います。
耐陰性もあり、比較的乾燥にも強いなどの頑丈さも特徴で、初心者でも育てやすいインテリアグリーンです。
種類によって葉の色や形が異なりますが、多くの種類が直線的な斑を持つのが特徴となっています。
種類が豊富なため、自分の部屋のスタイルに合わせた一本を選ぶのも楽しみと言えるでしょう。
成長スピードが緩やかで植え替えの心配などが少ないのも、初心者におすすめできるポイントです。
インテリアグリーンの育て方のコツ
インテリアグリーンを健康的に育てるためには、次のポイントをおさえておきましょう。
- 配置|日当たり・風通しを意識
- 水やり|量や頻度を工夫する
- 肥料|タイミングや種類を工夫
植物は生き物なので、世話をおろそかにすると枯れてしまったり、見た目が損なわれてしまったりします。
これらのポイントに気を配って、健康的な状態を保ちましょう。
配置|日当たり・風通しを意識
日当たりは、室内で植物を育てる際に特に気を配るべき重要な要素です。
多くの植物は、光合成を行ううえで日光が欠かせません。
インテリアグリーンに適した種類は、耐陰性が高めの植物が多いとはいえ、適度に明るい場所を選択して、配置する必要があります。
一方で、直射日光が過度に当たらないよう留意しましょう。
耐陰性が強い植物は、逆に極端に強い日差しが当たると葉焼けを起こしてしまうことがあるからです。
レースのカーテン越しなど、やわらかな光が届く場所が理想的といえます。
続いて、風通しも大切な要素です。
空気がこもる場所では、カビや害虫の発生リスクが高まります。
普段から風通しの良い場所に置くのがおすすめです。
さらに、窓を開けたり、サーキュレーターを使ったりして、室内の空気を循環させる工夫をしましょう。
水やり|量や頻度を工夫する
水やりも、インテリアグリーンを元気に育てるうえでの大事な要素です。
室内で育てる観葉植物の多くは、過湿に弱い性質を持っています。
水やりは「土の表面が乾いたら」たっぷりとあげるが基本のルールです。
表面だけでなく、鉢の内部まで乾いていることを確認してから与えるのがポイントです。
基本的には、一度に与える水はしっかりと鉢底から流れ出るくらいが理想ですが、適度な水分量は種類によって大きく異なります。
育てる植物の特性を理解して、適切な分量を与えてください。
また、基本的には春から夏にかけての成長期は水をよく吸収するため、水やりの回数を増やしましょう。
秋から冬にかけては休眠期に入るため、やや控えめにする必要があります。
パキラのように、乾いて数日経ってから水やりをするくらいがちょうど良い種類もあるほど。
そのほか、時々葉に霧吹きで水を吹きかけると、乾燥対策になり、病害虫の予防にも効果的です。
肥料|タイミングや種類を工夫
植物にとっては栄養補給も重要です。
室内で鉢植えとして育てている場合、土の中の栄養は時間とともに失われていきます。
肥料を定期的に追加し、植物が育つために必要な栄養を維持しておく必要があります。
基本的には、春から秋の成長期に、定期的に肥料を与えるとよいでしょう。
液体肥料であれば2週間に1回程度、薄めたものを水やり代わりに施すと効果的です。
置き肥なら、2〜3か月に一度、鉢の端に置いておくとよいでしょう。
忙しくて世話にあまり時間をかけられない方には、置き肥がおすすめです。
肥料の与えすぎは根を傷める原因になるため、説明書に書かれた適量を必ず守りましょう。
種類によって適した肥料の種類や量が異なる場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
また、植え替え直後の植物は、根に負担をかけないよう、しばらく肥料を控えるのが適切です。
インテリアグリーンのおしゃれな飾り方
インテリアグリーンはただ育てるだけではなく、おしゃれに飾ることで空間を格段に魅力的にすることができます。
次のアイデアを取り入れて、室内をおしゃれにデザインしましょう。
- 端や奥に高さのある植物を配置
- シンプルな色調のなかでインテリアグリーンをアクセントに
- 壁掛け高いところから吊るす植物をうまく活用
- 鉢選びやステージの設置を工夫
植物を、インテリアの一部としてうまく組み込む工夫をしてみましょう。
端や奥に高さのある植物を配置
部屋の「端」や「奥」に、高さのある植物を配置するのが、有効なアイデアの一つです。
たとえば、ソファの横やテレビボードの端などに背の高いドラセナやモンステラを置くと、部屋全体に立体感や奥行きが生まれます。
植物の高さを利用して、視線の流れを自然に誘導する効果もあります。
デザインにこだわったゾーンの隅に背の高い植物を置くと、部屋を訪れた人の視線がそちらに移動して、部屋の印象がアップします。
高さの違う植物を組み合わせると、より立体的な空間が演出でき、シンプルな部屋にも豊かな表情が加わるでしょう。
シンプルな色調のなかでインテリアグリーンをアクセントに
部屋全体のトーンをシンプルにまとめることで、グリーンの存在感をより引き立てることができます。
家具や壁・床などを白やベージュ、グレーといったベーシックなカラーをベースにすることで、植物の鮮やかな緑が映え、モダンで洗練された印象を与えることができます。
インテリアグリーンは、ナチュラルウッドの家具との相性も良く、温かみのある心地よい空間をデザインできます。
逆に、モノトーンのインテリアに、濃い緑の観葉植物を合わせると、都会的な印象を作ることができておすすめです。
壁掛けや高いところから吊るす植物をうまく活用
壁や天井を活用することで、さらにおしゃれなディスプレイが可能になります。
たとえば、天井から吊るした鉢にポトスやアイビーを植えて、垂らす形で配置すると、空間全体に動きと軽やかさが生まれます。
ウォールプランターを取り付けて、壁面をグリーンで飾るのも効果的な方法です。
ワンルームなどでスペースに限りがある場合には、吊るす・掛けるという手法により、圧迫感を与えずにグリーンを楽しめます。
鉢選びやステージの設置を工夫
植物そのものだけでなく、鉢や鉢カバーにもこだわることで、インテリアグリーンはより一層洗練された存在になります。
素焼きのテラコッタ鉢を選べばナチュラルな雰囲気に、光沢のある陶器鉢を選べばモダンな印象になります。
プランタースタンドや小さな台を活用して植物の高さに変化をつけると、単調になりがちなグリーンの配置にメリハリが生まれます。
複数の植物をまとめて置く際に、植物の高さや鉢のデザインを意識することで、空間に動きを持たせて、飽きのこない内装に仕上げられます。
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